内 美咲


今回は、アクセサリーを作る女の子、「Lumiere teadrop(ルミエール ティアドロップ)」の内 美咲ちゃんにお話しを聞いてきました。


まず、美咲ちゃんのアクセサリーのブランド名「Lumiere teadrop」の意味。「Lumiere」とはフランス語で光。全てを取り払って輝いている、キラキラしているものがもともと好きなんだそう。ある時、ブランド名をどうしようかと考えていたら、ふと開いた本に「teadrop」の文字。そこにあった逸話には、” 人魚が流す涙は宝石になる “ 。涙は決して悪いものなんかじゃなく、綺麗なもの。もっともっと我慢せずに涙を流していい。涙はきっと自分を輝かせてくれるから、沢山泣いて、自分を認めてあげていい、と。このメッセージがアクセサリーを作り始めた高校2年生の時の彼女にとても響き、ブランド名は「Lumiere teadrop」に決定したそうだ。



というのも、高2の頃の彼女はとても孤独に苛まれ、生きる希望すらも見失いかけていたという。当時、宝塚歌劇団に入るための壮絶なレッスンに明け暮れる日々。周りには生徒が沢山いる中で、先生との関係が上手くいかず、誰にも褒めてもらえない、誰にも認めてもらえない、そして自分という存在すらきちんと見てもらえない。さらに、家族とも少しずつ歪みができ、学校の友達からの応援すらも苦しいものへと変わっていった。そんな日々にとうとう痺れを切らした彼女はついに全てをやめることを決心。私の思うように生きる、と決意。

だが、もうその頃には自分の体から心は逃げてしまっていた。ただただ毎日募る孤独感。見える世界は全てが霞み、学校に行くことも億劫になっていた。


それから数ヶ月後、たまたま家にあったオーガンジーのリボン、造花、ビーズ、十字架、パールでチョーカーを作る。きっとこの時は、よし散歩に行ってこよ、くらいのなんてことない気持ちからだったのだろう。でも心のどこかで、自分のお守りのような、寄りかかれるような存在が欲しかったのかもしれない、と彼女は話す。出来上がったものをSNS上でアップするとたちまち反響があって彼女は驚いた。例え相手の見えないネット上だとしても、評価してもらえた瞬間。つまりずっとずっと求めていた、認められた瞬間だった。

作ることで誰かと繋がれる。話していてもろに感じる人懐っこさと、本当に人が好きなんだな、という彼女の中の中の部分がそのことに気づいた時、本当に喜んだと思う。その証拠に、このチョーカーは本当に欲しい!と言ってくれた子に「その子のお守りのような存在に去ればいい」と譲った。


それから高校3年生になった彼女は学校へは行かず本格的にアクセサリーの製作に打ち込むようになる。当初、人と比べて落ち込んだりもしたらしいが、でもそれなら自分自身ときちんと向き合ったほうがいいと自分のアクセサリーに集中した。それだけ、彼女自身がアクセサリーとなっていて、出来上がったアクセサリーはその時の彼女自身なのだ。つまり、自分の作る「Lumiere teadrop」のアクセサリーを愛するということが自分自身を愛することにつながっている。今の彼女はまだまだいろんな事に悩み、迷っているようだったが、楽しそうに製作しているように感じた。そんな「Lumiere teardrop」のアクセサリー。受け取ってくれた人にとって大切な存在であって欲しい。そして何か特別な意味、想いを持ってつけてくれたら嬉しい、と彼女は言う。


最近よく製作しているドライフラワーを使った作品について聞いてみた。バングルを当初作った時、孤独、寂しい、冷たい、という感情が彼女の中で渦巻いていたそう。そこから、向こう側が透き通って見えるバングルのように、私自身も中までちゃんと見て欲しい。誰にも土足で自分の中に踏み込んできてほしくはないけど、でも、誰かに手を引いて欲しい。そんな思いが込められているとのことだった。どれだけ家族と仲が良くても、どれだけ友達がいても、私の周りには誰もいないんじゃないか、という考え始めると止まることのないような感覚は誰にでもあると思う。そんな時、腕につけたバングルがそっと支えてくれるような存在となってくれるのだろう。

キラキラした作品たち。どこからイメージが浮かんでくるのかと尋ねると、インスピレーションが降ってくるのをじっと待つようだった。そのために、生活の中で生まれる音に意識して耳を澄ましてみたり、作りたいイメージの音楽を聴くそう。すると、ふとインスピレーションが降ってくるときがあって、その時は地上から離れて、少し高いところにいけたような、恍惚感に包まれるらしい。それはきっと素晴らしい景色なんだろう。

自分の中の部分と向き合って作品を作る彼女にとって、心から幸せだと思う瞬間を尋ねると彼女らしい優しい答えが返ってきた。例えば、朝ごはんを食べている時とか、天気がいい時とか。小さなことでも幸せだと教えてくれた。それから知っている人でも、知らない人でも、心からの笑顔で関わっている時。相手が幸せそうな時。でも、こういう日常に潜む幸せに気づけない時もあるという。彼女は完璧主義、焦り証、怠け者な上に考え症らしく、感情の波が激しいという。沈んでいる時は、果てしない虚しさに飲まれ、ただ生きることで精一杯になって幸せを感じる余裕も無くなるという。でも、そんな時の解決方法がなんとも面白い。5分、10分、と時間を決めてひたすら考える。それでも答えが出なかったらポーン!と投げ飛ばしてしまう。それから、話を聞いてくれる友達がいる、という強みがある。自分から助けを求めることが出来なくても声を掛けてくれる。こうして親身になって話を聞いてくれる人がいるというのはこの先生きていく上でも、心の底に絨毯のように敷かれる安心感としてずっと存在するのだと思う。



アクセサリーを作る時に1番大切にしていることを聞くと、思わず頷きたくなる答えが返ってきた。「感情」。作っている時の自分の状況はアクセサリーを通して全部伝わる。だから気分の乗らない時は作らない。そんなことから全身全霊をかけて作っていることがわかる。

最後に、1番好きな時間帯を聞いてみた。夜と朝が入れ替わる時という。世の中全てが綺麗に見える。センチメンタルな気分にもなるけど、その一瞬は全細胞が入れ替わるような感じ解して好き、そう答えてくれた。

「Lumber teardrop」今後も彼女のアクセサリーから目が離せない。読者の皆様には、是非ちらりと覗いてみてほしい。お話し聞かせてくれた美咲ちゃん、本当にありがとう。美咲ちゃんの笑顔は、周りの人を暖かくする力があって、「Lumiere Teadrop」のアクセサリーはきっとこれからも手に取った方のお守りのような、そんな存在になっていくと思う。



a m 3

わたしの生きたい世界で生きたっていいじゃない

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